持久力&瞬発力を兼ね備えるピンク筋
筋肉(筋繊維)には大雑把にいって「速筋線維」「遅筋線維」の2種類があり、見た目の色から前者は「白筋」、後者は「赤筋」と呼ばれている。速筋(白筋)は瞬発力とスピードに優れている代わりに持久力が乏しく、逆に遅筋(赤筋)は瞬発力やスピードがない代わりに持久力に優れているという特徴がある。両者の比率は生まれながらにして決まっていて、その後も変化することがないため、瞬発系か持久系のどちらのスポーツに向いているかがある程度判断できる。ただ、オリンピック選手でもない限り、一方の筋繊維が極端に多いということはない。トレーニングで重点的に鍛えて筋肉を肥大させれば、どちらの能力も確実に引き上げることができると考えておこう。さらに、速筋(白筋)のサブタイプである「中間(ピンク筋)」なら、運動をすることで筋繊維の数自体を増やすことができる。スピードと持久性を兼ね備える中間筋は、優秀なアスリートほど割合が高いとされている。これを大いに鍛えよう。
■速筋線維は無酸素系の筋肉、遅筋線維は有酸素系の筋肉
筋肉は顕微鏡で観察すると、赤い部分と白い部分がある。赤い色をした部分がミオグロビンと呼ばれ、筋肉に酸素を貯蔵する働きがある。そのため赤い部分の赤筋は、酸素が大量に供給されマラソンなどの有酸素運動に機能。白い部分の白筋は、細胞内部にカルシウムイオンを一気に放出するのに優れ、無酸素運動の瞬発力を発揮する。
<速筋の特徴>
身体の表面近くに多く、走る、ジャンプする、バーベルを持ち上げるなど力を使う運動で働く。
主な特徴は「大きな力を生み出す」「収縮スピードが速い」「疲労しやすい」など。
<遅筋の特徴>
身体の内部に多く、呼吸のために肺を動かしたり、姿勢の維持、血液の循環など生命維持のために働く。
主な特徴は「小さな力を生み出す」「収縮スピードが遅い」「疲労しにくい」など。