ヒトのカラダは、骨と関節、筋肉によって動かされている。「動け!」という脳からの司令が、神経を通じて伝達され、筋肉は動くのだ。一方で心臓や胃などヒトの意志とは関係なく動く筋肉もある。ここではカラダと筋肉の関係について学びます。
骨格筋の働きが骨を動かし、ヒトの身体を動かしている
骨格の周りについている筋肉を「骨格筋」という。この骨格筋は、自分の思った通りに動かせるので「随意筋」といい、心臓や胃など自分の意志で動かしたり、止められない筋肉を「不随意筋」という。ここで紹介する「筋肉」とは、あくまで「随意筋」である。すなわち自分で意識して動かしたり、鍛えたりすることが出来る筋肉を指す。
筋肉の動きは、手や足を動かすだけではない。顔にある表情筋は喜怒哀楽を表し、その人の感情を表現する。背中にある起立筋を、緊張させることで人は姿勢をキープできる。また腹筋は、その腹圧によって排便することができる。つまり筋肉のどこかに不調をきたせば、日常生活にも間違いなく不具合が生じる。筋肉の健康は、カラダの健康と言っても過言ではないのだ。
筋繊維が集まって筋束となり、筋束が集まって筋肉をつくる
筋肉の基本単位となるのが「繊維」。筋繊維の一本一本に栄養を運ぶ毛細血管が付いており、脳からの司令を伝達する運動神経も伴う。髪の毛ほどの細さの筋繊維が数十本~数百本集まって筋束となり、筋束が集まって筋肉をつくる。筋繊維の内部にある筋原線維が一斉に収縮すると、筋肉全体が収縮して、エネルギーを生み出す。